Research Projects / 研究内容
Reconfigurable Architecture
当研究室では、書き換え可能性をシステムやアプリケーションに明示的に組み込んだ、新しい計算機構の研究に取り組んでおります。具体的には、試作チップやASICの代替として書き換え可能デバイスを使用するのではなく、その書き換え可能性を活用した計算方式やシステムの信頼性向上、さらに演算性能に対する消費電力を最適化する高効率な計算方式などを研究テーマとしております。
右の写真は、当研究室で開発した研究用プラットフォーム「Trefoil」です。このシステムには最大規模のFPGAが1つ搭載され、100Gbpsの通信帯域を持つ12ポート(合計1.2Tbps)と、256個のSATA規格のストレージ(最大2ペタバイトの容量と192GB/sのアクセス速度)を制御可能な機能を備え、高速で大容量のデータ処理が可能です。
Reconfigurable Systems
書き換え可能デバイスを用いることで、新たな可能性を広げることができます。例えば、センサーから得られたデータを短時間で処理して結果を即座に返す場合や、非常に限られた電力源で動作するシステムが必要とされる状況において、その効果が期待されます。
右の写真は、当研究室で改良を進めているマイクロドローンです。このマイクロドローン本体は市販品であり、市場より誰でも入手可能なものです。重量が30g未満のドローンであるため、バッテリーも非常に小さく、計算処理に使用できる電力は無視できないほど限られています。そこで、ドローンの自律飛行に必要な要素をFPGAで高効率に計算することで、マイクロドローンの性能限界を突破することを目指しています。
Reconfigurable Applications
研究室で開発したシステムを活用したアプリケーションの応用も、研究テーマとして取り組むことができます。例えば、視線追跡(アイトラッキング)フィードバックを備えた没入型ディスプレイ(左図)や、最新FPGAを用いた 200Gb 級のサブミリ秒レベル映像伝送システム、移動体を対象とした高信頼無線通信、ペタバイト規模の超並列ストレージ(Trefoil サブシステム)などがあり、これらのシステムは、自分の研究テーマに合わせて利用いただけます。
Research Environment
当研究室では主に AMD 社製の FPGA を用いており、Versal Premium Series (VPK120)、Versal Prime Series (VMK180)、また、Alveo Series (U200, U250, U280) および Virtex Ultrascale+ (VCU1525, 他) など最新または大規模な FPGA ボードが合わせて 20 枚以上あります。このため、研究室では 1 人 1枚以上の高性能 FPGA ボードを専有して研究できます。これ以外に、研究室で開発したシステム(Trefoil、没入型システム、他)や少数ですが Intel Stratix 10 GX および Stratix 10 MX のボードも利用できます。これらの比較対象として最新の GPU である NVIDIA A100 なども利用できます(※ GPUは専有ではありません)。中規模程度以下の FPGA (Zynq, Kintel, Artix, Spartan, また lattice など) が搭載された FPGA 基板は上記以上にあるので研究機材で困るということは基本的にありません。